2020年度の事業成果
Results
当連合会では令和2年度に、東京都及び会員市町村等から調査・測量設計業務を33件受注しました。このうち、主な事業4件をご紹介します。
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実施主体 東京都 地区名 都内5土地改良区 受託件名 土地改良施設資産評価データ整備事業委託 補助事業区分 都単 事業概要 土地改良区は、土地改良法に基づき地域の農業者で組織する団体で、土地改良施設(取水堰や用水路など)の維持管理を行っています。平成30年度に土地改良法が改正され、土地改良区の決算関係書類について、令和4年度から複式簿記で行うことが義務化されました。これは、土地改良施設の老朽化が進む中、施設の資産評価を適切に行い、将来の更新費用を計画的に積み立てるため、貸借対照表の作成が必要となったためです。
しかしながら、都内の5土地改良区(大丸用水、府中用水、日野用水、昭島用水、五日市用水)には、会計制度の専門知識を有する職員がおらず、その対応が難しい状況でした。
そこで、各土地改良区の施設の資産評価額算定を行うとともに、土地改良施設資産台帳の整理を行い、円滑な複式簿記会計への移行を支援しました。
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実施主体 昭島用水土地改良区 地区名 昭和用水路(しょうわようすいろ) 受託件名 農業水路等長寿命化・防災減災事業
水路測量設計委託補助事業区分 国庫 事業概要 本地区は多摩川の中流域に位置し、東西に細長く、市街化地域内に水田と畑地が混在する、全長約18kmの農業用水路です。
農業用水は室町時代から利用され、歴史的価値が高く、また近年では親水緑道が整備され、市民に憩いや安らぎの場を提供するなど、良好な生活環境を創出しています。
しかし、水路の老朽化・劣化が顕しく、未整備の箇所も多数残されており、通水障害や溢水・浸水等の被害が懸念されています。
そこで、平成29年度に水路全線を調査し、老朽度や危険度に応じた補修・改修の基本設計を行い、計画的な水路整備を実施することとしました。令和2年度は、水路改修に向けた測量設計を行いました。
【設計概要】水路改修:0.4km
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実施主体 八丈町 地区名 河尻(かわじり) 受託件名 農業基盤整備促進事業
三根河尻水路改修工事実施設計委託補助事業区分 国庫 事業概要 河尻地区は島東部の山間地域に位置し、フェニックス・ロベレニーを中心とした約4haの農地が谷間に集まっています。地区内には、農道(簡易舗装・土砂道)や排水路がありますが、整備されてから40年以上が経過し、農道では簡易舗装の破損や土砂道の浸食等が、排水路ではコンクリートの劣化や破損等が顕著な状況となっています。また、集中豪雨時には、既設の排水路が山からの土砂で閉塞し、周辺農地へ土砂の流出や溢水の被害が発生しています。
このような状況を踏まえ、農業生産の維持や農業経営の安定、農業者の安全確保、営農環境の向上等を目的として、各施設を改修するための実施設計を行いました。
【設計概要】工事設計書、農道整備:465m、水路整備:208m
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実施主体 三宅村 地区名 東山(ひがしやま) 受託件名 小規模土地改良事業
農道東山線整備基本設計委託補助事業区分 都単 事業概要 東山地区は島南部の坪田地区の西端に位置し、アシタバやフキ・サツマイモなどが栽培されています。農道の始点は都道に接しており、農業地域内の農道として、日々の営農に活用されています。
しかし、この地域の地形は山側に向かって登り勾配となっており、未舗装の土砂道であるため、路面の掘削やわだちなどにより、年々状態が悪化し、営農の障害となっていました。
このため、本地域の実情に適した農道整備を行うための基本設計を行いました。
【設計概要】農道整備:474m